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サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違いを仕事内容・資格で比較

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアは、どちらもインフラエンジニアの代表的な職種ですが、担当する範囲や取っておきたい資格は別物です。求人票の肩書きだけでは中身が分からず、どちらを目指すか迷う人もいます。この記事では、仕事内容、資格、年収の統計、向き不向きの観点を整理し、どちらを選ぶか判断する材料をまとめました。
結論を先に言うと、設計や構築まで任されるかどうかは職種名よりも案件のタイプで決まります。それでも、資格の体系や統計の職種区分には明確な違いがあり、キャリアを考えるときの手がかりになります。年収を比べるときに見落としやすい統計の落とし穴も、あとの章で説明します。
- 情報の確認日 2026年10月3日
- 読み比べた記事 検索上位の6本
- 確認した一次情報 シスコ公式のCCNA試験ページ、LPI公式の受験料改定の告知、IPA公式のネットワークスペシャリスト試験ページと2026年度のCBT化の案内、厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』の職種別の数値を報じた労働新聞の記事
- 参考にした読者の声 転職エージェント各社(マイナビIT AGENT・kotora・アクシス)が紹介する現場エンジニアの傾向
この記事は筆者の体験談ではなく、上の資料と記事を読み比べて整理したものです。数値や資格の情報は確認できた範囲だけを載せ、確認できなかったことは「この記事で分からないこと」にまとめています。
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの仕事内容の違い

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違いは、担当する機器の種類にあります。サーバーエンジニアはサーバーやストレージの設計、構築、運用を担当し、ネットワークエンジニアはルーターやスイッチなどの通信機器とネットワークの設計、構築、保守を担当します。同じシステムの中でも見ている対象が違うため、障害が起きたときに最初に確認する範囲も変わります。
ネットワークエンジニアは「サーバー同士をつなぐ」側、サーバーエンジニアは「つながれるサーバーそのもの」を担当すると考えると区別しやすくなります。マイナビIT AGENTの解説でも、この2つの業務は役割分担の関係にあると説明されています。
サーバーエンジニアが担当する業務
サーバーエンジニアの業務は、サーバー機器の選定から設計、構築、運用、保守までを一貫して担うことです。OSやミドルウェアの設定、仮想化技術を使った環境構築、障害発生時の原因調査まで、サーバーに関わる作業全体を受け持ちます。
ネットワークエンジニアが担当する業務
ネットワークエンジニアの業務は、ルーターやスイッチなどの通信機器を使ったネットワークの設計、構築、保守と運用です。kotoraの解説によると、主な対象はネットワーク機器と通信回線で、プロトコルやルーティング、スイッチングの知識が必要スキルとして挙げられています。
| 比べる項目 | サーバーエンジニア | ネットワークエンジニア |
|---|---|---|
| 主な対象 | サーバー・ストレージ | ネットワーク機器・通信回線 |
| 主な仕事 | サーバーの設計・構築・運用・保守 | ネットワークの設計・構築・保守・運用 |
| 必要スキル | サーバーOS・ミドルウェア・仮想化技術 | プロトコル・ルーティング・スイッチング |
| 障害時に最初に見る範囲 | サーバー本体やOS、ミドルウェアのログ | 通信機器の設定や回線の状態 |
キャリアノート編集部が、マイナビIT AGENTとkotoraの解説記事をもとに整理(2026年10月3日確認)
どちらの仕事も、実際にはサーバーとネットワークの両方に触れる場面があります。企業によっては兼任のポジションもあるため、求人票の「インフラエンジニア」という表記だけでは、担当範囲を判断できません。
「インフラエンジニア」という肩書きだけで判断せず、求人票の仕事内容欄にサーバーとネットワークどちらの言葉が多いかを見ると、担当範囲の見当がつきやすくなります。
必要なスキルと代表的な資格の違い

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアでは、取得をすすめられる資格の系統が違います。サーバーエンジニアはLinuxの知識を証明するLPIC、ネットワークエンジニアはシスコ製品の知識を証明するCCNAが代表的な入り口の資格です。どちらも国際的に通用する民間資格で、国家資格ではありません。より専門性を高めたい場合の選択肢まで含めて、公式サイトで確認した受験料と合わせて見ていきます。
サーバーエンジニアに関わる代表的な資格
LPIC(Linux技術者認定試験)は、Linux Professional Institute(LPI)が運営する資格で、サーバーエンジニアの入り口としてよく挙げられます。LPI公式サイトの告知によると、2024年10月1日の改定で、日本での受験料はLPIC Essentialsが13,000円、LPIC-1が15,000円、LPIC-2とLPIC-3、DevOps、BSDが18,000円(いずれも税別)になりました。
ネットワークエンジニアに関わる代表的な資格
ネットワークエンジニアの入り口としてよく挙げられるのがCCNA(Cisco Certified Network Associate)です。シスコ公式のCCNA試験ページによると、試験時間は120分で、受験料は300米ドル(税別)です。より専門性を高めたい場合は、国家資格のネットワークスペシャリスト試験という選択肢もあります。
ネットワークスペシャリスト試験は、IPA公式のネットワークスペシャリスト試験ページによると、情報処理技術者試験の中でもっとも難度が高い「高度試験」の1つで、受験料は7,500円です。IPA公式の案内では、令和8年度(2026年度)からCBT方式を導入し、試験の名称が午前試験から科目A試験、午後試験から科目B試験に変わることも案内されています。
| 資格 | 運営団体 | 対象 | 受験料 |
|---|---|---|---|
| LPIC-1 | Linux Professional Institute | サーバーエンジニア(初級) | 15,000円(税別) |
| LPIC-2/3・DevOps・BSD | Linux Professional Institute | サーバーエンジニア(中級以上) | 18,000円(税別) |
| CCNA(200-301) | シスコシステムズ | ネットワークエンジニア(初級) | 300米ドル(税別) |
| ネットワークスペシャリスト試験 | IPA(情報処理推進機構) | ネットワークエンジニア(国家資格・高度) | 7,500円 |
各資格の公式サイトを2026年10月3日に確認。LPICとCCNAは税別表記、CCNAの米ドルは現地窓口で円換算される
資格の難度や受験料だけで選ぶのではなく、今の仕事や目指す方向に近い資格から手を付けるほうが、学んだ内容をすぐに実務で使えます。サーバー・ネットワークどちらを触るときも、関連する言語やツールの基礎は共通して役立ちます。インフラエンジニアが扱う言語についてはインフラエンジニアとプログラミング言語の記事にまとめています。
- 今の仕事でサーバーに触れる機会が多いか、ネットワーク機器に触れる機会が多いか
- 独学で進めやすい教材が充実しているか
- 会社の資格手当や受験料補助の対象になっているか
- 転職先の求人で指定されている資格があるか
年収の統計から見える違いと、職種区分のズレ

ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアそのものに特化した公的な年収統計は見当たりません。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」には、近い職種として「システムコンサルタント・設計者」と「ソフトウェア作成者」という区分があり、普段の呼び方とは違います。数値を見るときは、この職種区分のズレを前提にする必要があります。
厚生労働省の統計に出てくる職種区分
労働新聞の記事が報じた厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』の職種別の数値によると、システムコンサルタント・設計者の平均年収は685万円(月給47.8万円、年間ボーナス111.9万円)でした。
同じ記事では、ソフトウェア作成者(男性)の所定内給与が35.0万円、システムコンサルタント・設計者(男性)が44.1万円で、1.26倍の差があると報じられています。設計や上流工程に関わるほど、統計上の給与も上がる傾向がうかがえます。
ネットワークエンジニア・サーバーエンジニアという呼び方と統計のズレ
ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアという呼び方は、現場での通称であり、厚生労働省の統計上の職種名ではありません。設計や構築を担うベテランは「システムコンサルタント・設計者」に近い区分に、運用が中心の人は「ソフトウェア作成者」に近い区分に、実際にはまたがって分類されている可能性があります。
| 職種区分(厚労省の調査上の名称) | 平均年収 | 所定内給与(男性) |
|---|---|---|
| システムコンサルタント・設計者 | 685万円 | 44.1万円 |
| ソフトウェア作成者 | 参照記事内に年収の掲載なし | 35.0万円 |
キャリアノート編集部が、労働新聞の記事(厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』職種別の数値を報じたもの)をもとに整理(2026年10月3日確認)
この記事では、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアに限定した年収の数値は載せていません。断定できる公的な統計が見当たらないためです。
年収を比較サイトの表だけで判断せず、求人票に書かれた給与レンジと、自分が設計寄りか運用寄りかを合わせて見ると、実態に近い金額が見えてきます。
サーバーエンジニアとネットワークエンジニア、どちらが向いているか

どちらが向いているかは、担当する範囲への関心と、資格の方向性で見分けられます。機器そのものの安定稼働に関心が強い人はサーバーエンジニア、機器同士のつながりや通信の設計に関心が強い人はネットワークエンジニアに近い適性があります。どちらにも共通して求められる力もあるため、次の2つの観点で確認してみてください。
担当する範囲で見る適性
サーバーエンジニアに向いている人の特徴として、アクシスの解説記事では、機械を扱うのが好き、職人気質で完璧主義、細部への集中力があることが挙げられています。ネットワーク機器同士のつながりを図で考えるのが得意な人は、ネットワークエンジニアの設計業務に馴染みやすい傾向があります。
興味の方向で見る適性
新しい技術への知的好奇心や、クライアントとのコミュニケーション能力は、どちらの仕事にも共通して求められます。同じ記事でも、技術スキルだけでなくコミュニケーション能力の重要性が指摘されています。得意な分野がはっきりしない場合は、両方に触れられる運用保守の案件から入り、現場で感触を確かめる方法もあります。
- サーバー機器やOSの設定を黒子のように整えるのが好き → サーバーエンジニア向き
- ネットワーク構成図を描いたり通信の流れを追うのが好き → ネットワークエンジニア向き
- どちらもまだ分からない → 運用保守の案件から入って両方に触れてみる
| 観点 | サーバーエンジニア向き | ネットワークエンジニア向き |
|---|---|---|
| 好きな作業 | OSやミドルウェアの設定、仮想化環境の構築 | ルーターやスイッチの設定、通信の設計 |
| 最初に取る資格 | LPIC-1 | CCNA |
| 伸ばしやすい方向 | クラウド基盤の設計、SRE | 大規模ネットワークの設計、セキュリティ |
キャリアノート編集部による一般的な傾向の整理。実際の適性は本人の経験や興味で変わる
向き不向きに正解はありません。まずは今の案件でどちらの作業をしているときに集中しやすいかを振り返ってみることが、職種を選ぶ最初の一歩になります。
向き不向きに迷ったら、今の仕事の中でサーバーとネットワークどちらの作業を頼まれる回数が多いかを数えてみると、適性のヒントになります。
クラウド化でキャリアが近づく将来性

クラウド化が進んでも、ネットワークとサーバーを設計できる人材の需要は大きくは変わらないと考えられます。ただし、オンプレミス機器を手作業で設定する仕事は減り、クラウド上の設定を自動化する仕事の比重が増えていく方向です。将来性を考えるときは、職種名よりもこの比重の変化を見ておくほうが実態に近づきます。2つの職種がどちらも同じ方向へ近づいていく様子を、次の項目で見ていきます。
ネットワークエンジニアの将来性
kotoraの解説記事では、クラウドや5G、セキュリティの分野でネットワークを設計・構築できる人材が不足しており、需要は今後も伸び続けると説明されています。クラウド時代のネットワークエンジニアには、オンプレミスの技術に加えてクラウドのネットワーク設定の知識が求められるようになっています。
サーバーエンジニアが近づくSREというキャリア
サーバーエンジニアの経験を積んだ先には、SRE(サイト信頼性エンジニアリング)というキャリアもあります。SREは、Googleが提唱した、ソフトウェアの手法で運用を改善する役割です。手作業の繰り返しを減らし、仕組みで安定稼働を支える考え方が土台になっています。
Toil is the kind of work tied to running a production service that tends to be manual, repetitive, automatable, tactical, devoid of enduring value, and that scales linearly as a service grows.
(訳)トイルとは、本番サービスの運用に結びついた作業のうち、手作業で、繰り返し発生し、自動化でき、その場しのぎで、長く残る価値がなく、サービスの成長に比例して増える傾向のある作業のこと。
出典 Google『Site Reliability Engineering』Chapter 5 Eliminating Toil
サーバーやネットワークの手作業(トイル)を自動化の仕組みに置き換えていく発想は、どちらの職種にも共通して求められるようになっています。
- 減っていく作業は、手順書どおりの設定変更や定型の監視
- 残る仕事は、構成の設計や障害の原因分析、セキュリティの判断
- 新たに増える仕事は、クラウド上の自動化の仕組み作り
転職や未経験からの転向で比較するときのチェックリスト

どちらの職種を選ぶか迷ったまま転職活動を始めると、入社後に「思っていた仕事と違う」となりやすくなります。求人票の書き方と面談で聞く質問を事前に決めておくと、担当範囲のズレを減らせます。未経験から転向する場合も、同じチェックリストが使えます。他にもインフラエンジニアの仕事の範囲についてはインフラ管理の仕事を解説した記事でも整理しています。
求人票で確認したい項目
求人票では、仕事内容に書かれている言葉に注目します。「サーバー」「OS」「仮想化」が多ければサーバーエンジニア寄り、「ルーター」「スイッチ」「回線」が多ければネットワークエンジニア寄りの仕事と読めます。
- 仕事内容に使われている機器名がサーバー系かネットワーク系か
- 扱う資格としてLPICかCCNAのどちらが挙がっているか
- 配属先が自社のインフラか、客先常駐か
- 夜間対応やオンコールの当番があるか
面談で聞いておきたい質問
面談では、入社後に実際に担当する業務の割合を具体的に聞きます。サーバーとネットワークの両方に触れる求人でも、実際の比率は現場によって大きく違います。
- 入社後1年間で、サーバーとネットワークどちらの作業が多くなるか
- 資格取得を推奨されているか、受験料の補助があるか
- 運用から設計へ進んだ先輩がいるか
- オンコールや夜間対応の頻度はどのくらいか
求人票の職種名だけで判断せず、仕事内容欄の機器名と資格の記載を見ると、担当範囲の見当がつきやすくなります。答えがあいまいな場合は、運用中心の仕事である可能性を考えておくと安全です。
- 企業や案件ごとの担当範囲の違いは公開されていないため、面談などで直接確かめる必要があります
- ネットワークエンジニア・サーバーエンジニアに特化した公的な年収統計は見当たらなかったため、近い職種区分の数値にとどめています
- 個々の転職者や現役エンジニアの知恵袋・Qiitaの投稿を直接確認できず、転職エージェント各社の解説記事が紹介する傾向にとどまりました
- CCNAの受験料は米ドル表記のため、日本での円換算額は受験時点のレートで変わります
よくある質問
未経験からはどちらを目指すほうがいいですか
どちらでも未経験から目指せますが、最初は運用保守の案件から入ることが多い点は共通しています。機械やOSの設定に関心があればサーバーエンジニア、通信や機器のつながりに関心があればネットワークエンジニアを軸に資格の勉強を始めるとよいでしょう。入ってから適性を見て、担当範囲を変えてもらう道も残っています。
資格はLPICとCCNA、どちらを先に取るべきですか
目指す職種に合わせて選ぶのが基本です。サーバーエンジニアを目指すならLPIC-1、ネットワークエンジニアを目指すならCCNAを先に取ると、学んだ内容をそのまま実務や面接で説明しやすくなります。両方に関心がある場合は、今の仕事で触れる機会が多い方から始めてください。
年収はどちらの職種のほうが高いですか
公的な統計で2つの職種を直接比較した数値は見当たりませんでした。厚生労働省の調査では、設計や上流工程に関わる「システムコンサルタント・設計者」の給与が、運用中心の「ソフトウェア作成者」より高い傾向が見えるため、担当範囲が設計に近づくほど給与も上がりやすいと考えられます。
まとめ
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアは、担当する機器の種類で区別できます。サーバーエンジニアはサーバーとストレージ、ネットワークエンジニアは通信機器とネットワークを専門にしています。資格の方向性や統計の扱いにも違いがあるので、職種名だけで判断せず、仕事内容と資格の両方を確かめることが大切です。
- 仕事内容は担当する機器の種類で分かれる。サーバーエンジニアはサーバー、ネットワークエンジニアは通信機器が対象
- 代表的な資格は、サーバーエンジニアがLPIC、ネットワークエンジニアがCCNAとネットワークスペシャリスト試験
- 厚生労働省の統計には2つの職種名に対応する区分がなく、年収は近い職種区分の数値までしか分からない
- 向き不向きは、機器そのものに関心があるか、つながりや通信の設計に関心があるかで見分けられる
- クラウド化が進んでも需要は大きくは減らず、手作業の比重が下がって自動化や設計の比重が増えていく
まずは今の仕事や興味がどちらに近いかを整理し、気になる資格の勉強から始めてみてください。インフラエンジニアの仕事の範囲はインフラ管理の記事、このサイトの記事の作り方は編集方針と情報源にまとめています。
参考資料
